令和2年11月27日 第4回定例会


 質問事項3 区立幼稚園の教育と環境について。

 最初に、就学前園児の育成について。
 令和3年度の保育園並びに幼稚園の募集が開始され、多くの保護者が、就学前児童の育成機関の選択をする大切な時期となりました。
 幼児教育・保育の無償化により、3年保育がある私立幼稚園と通常の区立幼稚園とでは保護者ニーズの違いがあり、区立幼稚園は定員割れが多く見られます。
今後の20園ある区立幼稚園の方向性について、考えをお伺いします。
 幼児教育の無償化が進められている背景は、乳幼児期に質の高い幼児教育を受けると、その後の人生に大きく影響を与える可能性があり、忍耐力、協調性といった非認知能力が育ち、そして国の経済にプラスの効果があるという経済学者ジェームス・J・ヘックマン氏の研究があります。
 どの園でも、教育・保育のプロセスの質の向上が大切で、幼児教育の課題に努めることが重要であり、行政が家庭や地域にも広く発信する力が求められていると考えます。
 就学前教育で友達と一緒に遊んだり泥んこになった経験から、小学校に入ってからの学習や生活は最も影響を受け、思考力、自尊心が身につき、遊びを通した総合的な学びの重要性が裏づけされています。
改めて区立幼稚園の教育の効果と就学前教育スタンダードの重要性について、見解をお伺いします。
 次に、自然体験ができる環境整備について。
 区立つばめ幼稚園は、川南小学校のウィークエンドスクールネイチャー講座で指導いただいている樹木医のアドバイスの下、保護者有志の協力を得て、先日、園庭に手作りの池が増設され、すばらしいビオトープが生まれました。
砂場遊びで鍛えた園児が穴掘りで参加、年長児が話し合い、メダカとドジョウを飼うことに決まり、小名木川の土手に生えるカヤツリクサを採取し、池の周りに植え、木製の橋も手作りし、園児がのぞき見ることができます。
あとは、池の名前をつければプロジェクトは完成します。
 この過程はまさに労作教育であり、園児と保護者、地域が協力して発見を大切にした、自然にたっぷり触れ合える教育が進められました。
広い園庭で伸び伸びと体を動かして健康な心と体を育んだり、畑でお芋を植えて収穫する体験もできます。
 小学校との併設園と独立園とでは、自然体験や遊びに工夫も必要で違いがありますが、区立幼稚園への自然体験ができる環境整備の施設やその労作教育に準備できる費用について、考えをお伺いします。
 また、友達との遊びや生活を通して、こどもの可能性を伸ばすことができる特色ある学校づくり支援事業の実施で、個性ある幼児教育が進められています。
自ら考える力、生きる力の育成を図り、江東区らしさを生かした特色ある教育活動の取組について、お伺いします。
最後に、適正配置と3年保育について。
 平成31年4月、4園の廃園が決定したことが発表され、3年保育や預かり保育の体制が構築されることも含め、幼稚園のあり方検討会にて多くの園長や関係者からの意見で協議されてきました。
 3歳児保育の需要が高まる中、区立幼稚園の幼児教育に違いはないのですが、南陽幼稚園と豊洲幼稚園の募集では定員を超える状況となり、3年保育の必要性や保護者ニーズを考えると、二極化され、地元園児が抽せんに落ち、兄弟が通っていた園に通えない現実もあります。
 令和6年に大島幼稚園をこども園に設置変更しますが、どのような内容や計画なのか、具体的なこともお伺いします。
 南部地区に2園、3年保育が設置された経緯は、教室の空き状況など、需要に応えられる環境だからでしょうか。
深川地区や城東地区でも見受けられますが、独立園では空き教室もあり、環境整備を推進することが可能と思います。
具体的なスピード感を持って早期に計画変更し、3年保育の実施を考えていくべきであると考えます。
 預かり保育の状況から、保護者のニーズは多様で、こどもの育成のために4時間から6時間や週3日だけ働くなど、様々です。
早い設置スケジュールの検証で、保育園の待機児童解消への補完になると考えますが、お伺いします。
 ちどり、もみじ、小名木川、川南の幼稚園を、令和6年までに廃園しますが、園自体の後利用の方向性はどうなのでしょうか。
併設園の小学校では、避難所運営の備蓄倉庫拡大や避難スペース、少人数学習や多目的教室の必要性も求められています。
地域には廃園に至る的確な説明が必要と考えますが、見解をお伺いし、質問を終わります。

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  質問事項3の回答   教育委員会事務局次長(武越信昭) 
 初めに、就学前園児の育成についてです。
 まず、区立幼稚園の方向性については、3歳児保育の需要が高まる中、園児数の減少が続いており、今後、計画の見直しも含め、検討すべきものと認識しております。
 次に、区立幼稚園の教育の効果については、遊びを通した総合的な指導により、様々なことに自ら挑戦していく主体的な幼児を育成していることであると捉えており、このことは、予測困難なこれからの時代をたくましく生きる力を育成していくものと考えております。
 また、就学前教育スタンダードは、小学校以降の学びや成長につながるとても重要なものと捉えており、現在、保幼小連携教育プログラムの大改訂を行っております。
今後も、就学前教育スタンダードの確実な実施と校種を超えた連携の一層の充実に努めてまいります。
 次に、自然体験ができる環境整備についてです。
 御指摘のつばめ幼稚園の取組については、幼児の学びの過程や就学前教育スタンダードの「自然にたっぷり触れる」、「思考力の芽生え」にどのようにつながっているのかを本区ホームページにて紹介し、就学前教育のすばらしさや保護者、地域との協力についてPRをしております。
 各園では、園内や近隣の公園等の自然環境を生かし、プロナチュラリストや地域の専門家等と、自然探索や野菜の収穫など、様々な自然体験を実施しております。
 なお、江東区らしさを生かした特色ある教育につきましては、ボランティアによる読み聞かせや茶道、和太鼓など、日本の伝統文化に触れる活動を地域と一体となって進めるほか、さきに述べました地域の公園での自然体験等を積極的に取り入れております。
 今後も、区立幼稚園の教育の質のさらなる向上を目指し、環境の整備に努めてまいります。
 次に、適正配置と3年保育についてですが、認定こども園への転換は、区立幼稚園の今後のあり方に関する基本方針に係る実施計画において、「待機児童解消に資するため、令和6年度を目途に1園程度を転換することを検討する」とし、大島幼稚園をその候補としていますが、運営形態等については、園児数の減少や地域の保育需要等も考慮して、慎重に検討を進めていく考えであります。
 また、早期に計画変更を行い、3年保育と預かり保育の実施を考えていくべきとのお尋ねでありますが、今年度から開始した3歳児保育及び預かり保育が、待機児童の解消に一定の効果を上げており、保護者のニーズも非常に高いことは認識しております。
しかしながら、区立幼稚園児数が方針策定時を上回るペースで減少している現状から、幼年人口の将来推計なども考慮しつつ、さらなる適正化など、計画全体の見直しについて、早急に検討を進めてまいります。
 なお、幼稚園廃園後の跡地利用につきましては、区民ニーズも踏まえた利活用の検討を進め、活用方針を決定してまいります。
 

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