平成26年2月20日 平成26年第1回定例会



 まず初めに、ITS(高度道路交通システム)の活用についてお伺いします。
 昨年10月に区内の東京ビッグサイトとその周辺にて、第20回ITS世界会議東京2013が開催され、展示会や最新技術が体感できるデモンストレーションが行われました。
 このITS世界会議は1994年から始まり、欧州、アジア太平洋地域、米国の3地域が毎年持ち回りで開催しており、日本では2004年の名古屋以来9年ぶりでした。
渋滞の解消や交通事故の防止、環境への負荷低減につながる高度な自動車交通社会への実現を目指して行われています。
 そこで、お伺いします。
交通事故から区民の命を救うため、事故防止の解決策として期待されているITS(高度道路交通システム)の活用について、区はどのように認識しているのでしょうか。
 次に、お伺いします。
日本のITSプロジェクトは、1973年に通商産業省が自動車総合管制システム(CACS)を開発したことに始まり、道路交通情報通信システム(VICS)、ETC、日本のITSスポットや公共車両を優先させる公共車両優先システム(PTPS)、緊急車両を優先させる現場急行支援システム(FAST)など、実用化が進んでいます。
 平成25年6月に閣議決定された「世界最先端IT国家創造宣言」の中で、世界で最も安全で環境に優しい経済的な道路交通社会の実現への取り組みが明記され、年間交通事故死者数2,500人以下、渋滞の大幅な削減、自動運転の実用化などを目指しています。
 しかしながら、2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催に当たり、区内での交通環境の悪化を危惧するところです。
 長野県飯田市では、複雑な交差点でも信号がないロータリー型環状交差点であるラウンドアバウトの実証実験を実施し、通過時間の短縮や事故減少が期待されていると聞きました。
 そこで、お伺いします。
区は、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けた交通環境のインフラ整備の方向性について、どのように推進していくのでしょうか。
 また、事故防止だけではなく、ITSを活用して商用車の輸送システムを円滑にすることにより、効率的な運行管理が燃費向上につながり、二酸化炭素(CO2)の削減など、環境問題の解決にも貢献します。
 産業目的の観点も加えて、官民一体となって取り組む必要があると考えますが、官民ITS構想について、見解があればお聞かせください。

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自動車のクリーンエネルギー化とインフラ整備について区長(山崎孝明)


ITSの活用についてのお尋ねにお答えします。
 初めに、交通事故防止の観点からの活用について、区の認識をお答えします。
 高度道路交通システム、通称「ITS」は、最先端のIT技術を活用し、人と道路と自動車の間で情報の受発信を行うことにより、交通事故の低減、渋滞解消、環境対策を図ろうとするものであります。
 身近なものとしては車載ナビゲーションシステムの中で利用されている渋滞情報等の把握、高速道路等の料金収受で広く浸透しているETCなどが挙げられます。
 近年では、車とインフラ間の双方向通信技術が進展し、平成21年には、高速道路上を中心に、安全運転を支援する交通情報提供サービスの運用が始まったほか、平成23年には、ドライバーの認知、判断のおくれや誤りによる交通事故を未然に防止することを目的に、安全運転支援システムの全国展開が始まりました。
 現在、官民を挙げて車と車、歩行者と車の通信による安全運転支援などについても研究が進められております。
 ITS技術の進展は、安全・安心な交通環境の実現に資するものと認識しており、今後も最新の技術動向の積極的な把握に努めてまいります。
 次に、2020年東京オリンピック・パラリンピックにおけるITSに関する区のインフラ整備の方向性についてであります。
 せんだってロンドンに行ってきましたが、オリンピック・パラリンピック開催期間中、ロンドン市は振りかえ休業や、会社も徹底して休めるところは休む、車の利用を徹底して減らす、そしてオリンピックレーンをつくるなど、さまざまな手だてを講じ、市を挙げて車の量の低減を図ったそうであります。
 恐らく日本もこのITS技術を導入して、いろいろ6年後までに検討するでしょうけれども、やはり迎え入れる都市としては、渋滞解消のためにいろいろな形で住民の車の利用を低減させなければいけないような状態になるのだろうと思っております。
 オリンピック・パラリンピック招致ファイルの輸送計画の中では、最先端のITS技術を導入するとしており、交通管制の面では、警察が推進する新交通管理システムが中心的な役割を果たすとされております。
 具体的には、車両感知器等から収集した情報をもとに、最適な制御を行う高度交通管制システムの活用や、交通情報収集カメラなどの増設による情報の高密度化に加えて、信号制御等により、バスを初めとした公共車両の優先的通行を実施し、定時性を確保する公共車両優先システムなどが挙げられております。
 区といたしましては、輸送計画で示されているITS技術の活用内容は、警察の行う広域的な交通管制を主軸にしたものと認識しております。
 したがって、区がITSに係る新たなインフラ整備に直接関与することは想定しておりませんが、区内の交通環境に関する情報提供などの要請があった場合には、積極的に協力してまいります。
 今、申し上げたように、ロンドンでも相当の車の規制をしました。
北京のオリンピック・パラリンピックのときには、かなり多くの専用道路、オリンピックレーンをつくりました。
特に北京の場合には自動車の量が圧倒的に多いですが、あそこは道路の幅が非常に広いという利点もあったようです。
恐らくオリンピック・パラリンピックになると、いろいろ実際に東京都と警視庁、あるいは国、そして区と連携したプレーが必要になると思います。
 江東区の湾岸地帯には多くの物流基地、いわゆるトラックターミナルが相当立地していて、ここが果たして休むことができるのかといったら、なかなかそれも難しい。
その場合に、そうした事業者と今後、意見を重ねながら、オリンピック・パラリンピック開催期間中の短期的な基地の移動とか、物流の流れの変更なども相談していかなければ、恐らく大変な渋滞になろうと思っております。
この点は、今後、東京都と協議していく大きな課題の一つになろうと思います。
 最後に、官民ITS構想に対する区の見解についてお答えします。
 今年度、国のIT総合戦略本部のもとで道路交通分科会が開催されており、その中で、官民ITS構想の構想内容や目標設定などについて議論がなされているところです。
本年度末には、今後の目標や将来像を示すロードマップが策定されるとともに、官民連携の推進母体が設置される予定となっておりますので、区では、今後とも国の検討進捗状況を注視してまいります。

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