平成26年2月20日 平成26年第1回定例会



教育の制度やカリキュラムについてお伺いします。
 まず初めに、教育委員会制度改革についてです。
 昨年12月に、教育委員会制度改革を議論している中央教育審議会教育制度分科会は、首長を教育行政の決定権限を持つ執行機関とする答申案を了承したと報道されています。
教育長は実務を取り仕切る補助機関となり、教育委員会は首長、当区では区長が勧告権を持つ特別な付属機関に再編することになるとのことです。
 また、別の案として、緊急時の対応がおくれがちだった教育委員会の決定事項を迅速に教育行政に反映させるために、教育委員長と教育長のポストを「新教育長」に統合し、首長が関与できる協議会も設立させるとのことです。
 地方教育行政の組織及び運営に関する法律などの改正などもあり、これからさらに協議されていくことと思いますが、現実的にどのような問題点が出てくるのかわかりません。
 そこで、お伺いします。
中央教育審議会の答申では、「教育長の事務執行が著しく適正を欠く場合」や「児童、生徒等の生命及び身体を保護するため緊急の必要がある場合」など、特別な場合に指示するとあります。
今までも区の運営に当たり、区長を初めとする行政と区議会が両輪であるように、首長である区長と教育委員会は具体的な施策や活動はともに協議し、方針を実施していると考えています。
 教育委員会は現行制度について、緊急的に対応できない、民意が反映されにくく担当事務が多過ぎて形骸化しているなどの問題点があると聞きますが、どのような対策がされているのでしょうか。
 次に、教育カリキュラムについてお伺いします。
 東京都教育委員会の検討委員会の報告の中で、12年間の教育カリキュラムを4年ごとに区切る4・4・4制を導入した都立小中高一貫校の開校を、2017年に目指すことを検討するとありました。
 6・3・3制が近年のこどもたちの発達段階に合わないと指摘され、基礎期、拡充期、発展期と4年ごとに分け、理数系教科を重視したカリキュラムを策定して人材育成を図るとのことですが、低学年、高学年と人間関係が広がらない懸念があります。
 また、理数系分野以外に関心を持ったときの対策はどうするのか。
仮に生徒が順応できたとしても不安なのは保護者ではないでしょうか。
 そこで、お伺いします。
当区の教育委員会として4・4・4制についての考えをお聞かせください。
 当区では、こどもたちの発達段階と育成の連続性を保つことを目標として、保幼小中連携教育の推進をしています。
 また、他区では、公立小中一貫校、都立中高一貫校があり、都立中高一貫校には受験対策のため、隣接区からも希望者が多く入学しています。
 また、12年間の連続性を持った教育を進めている私立も多くありますが、学力差が出る事態も想定されます。
 そこでお伺いします。
義務教育での中等教育とは何か。
公立中学校では能力の高い子ばかりではなく、公平に学力、体力を伸ばしていただいている現場の努力があります。
当区が地域ニーズに応じて柔軟な教育課程をつくることは、多様な人材育成につながると考えますが、4・4・4制が検討段階であるならば、都内にある30校を超える小中一貫校や中高一貫校の設置を具体的に進めることの必要性についてお聞きします。
 小中一貫校での成果は、「5年生から教科担任制を導入することにより学力が向上した」、「不登校や問題行動につながる中1ギャップの解消になる」との意見もありますが、小学校高学年がリーダーの役割を発揮できない、また教職員間では、小中学校で共通理解の時間が必要であり、打ち合わせや会議が多くなり多忙となるなど課題も多くあります。
 中等教育は進学的学力を身につけさせるだけではありません。
現実問題として、団塊の世代が定年を迎え、経験豊富な教員が抜けて、学年をまとめ、核となる教員が少なくなっている学校現場では、新規採用者に担任を任せなくてはならない現状です。
教育カリキュラムの検討よりも教員の育成にさらなる時間と費用を費やすべきと考えますが、対策があればお伺いします。
 次に、オリンピック教育の文化芸術についてお伺いします。
 2020年に東京で開催されるオリンピック・パラリンピックに向け、中学生の体育理論の授業等で、オリンピック教育の文化芸術のあり方について学習を進めるべきと考えます。
 1964年東京大会は、戦後の日本社会の発展に、ハード面の設備投資だけではなく、人の生き方をきわめる姿勢を示してくれたと思います。
 選手のメダル獲得数への興味だけではなく、スポーツの祭典におけるスポーツマンシップの理念や清らかな姿で競う選手たちを肌で感じることで、こどもたちはグローバルな考え方が自然に身につき、開催されるオリンピック・パラリンピックにいろいろな視点で参加体験ができるでしょう。
 ソチでの冬季オリンピック・パラリンピックの開会式での表現力の力強さ、開催国の歴史や文化をあらわす豪華けんらんな演出に人は感動しました。
 2020年夏の東京オリンピック・パラリンピック開会式にはどのような才能が結集され、創造的な演出になるのか、どのような日本文化が表現されるのか、とても楽しみです。
こどもたちにとっては、芸術面や媒体の広報について学習できる絶好のチャンスであると考えます。
世界中からアスリートと同規模のアーティストが集まる文化芸術交流の核となる東京、そして江東区を世界に発信できるのだと思っています。
 そこで、お伺いします。
スポーツの祭典を理解する上で、オリンピック教育の文化芸術を学習できる機会を設けることについてお伺いし、一般質問を終わります。

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区民が協力する文化観光について教育委員会事務局次長(押田文子)


 まず、教育制度改革についてでありますが、御指摘のとおり、本区では、さまざまな面で区長部局との協力体制が図れているものと認識いたしております。
 また、教育施策全般についても、本区の教育振興基本計画である教育推進プラン・江東は、長期計画との整合性を図りながら目標値等を設定しており、まさに区政運営と一体となった施策展開を図っているところであります。
 お尋ねの緊急時の対応など、中央教育審議会の答申にもありました問題点でありますが、本区では、これまでも緊急時には迅速な対応を図るとともに、いじめ防止対策や学力向上策、収容対策など、重要な案件については、議論を深めるための教育懇談会を開催しております。
 また、区議会所管委員会との意見交換の場として文教委員との懇談会の実施など、多様な意見を反映した教育委員会の運営が図れるよう努めております。
 次に、教育カリキュラムについてであります。
 まず、4・4・4制と小中一貫校の設置についてですが、児童・生徒の発達段階に合わせた教育カリキュラムの編成は、こどもたちのすぐれた資質や能力の伸張において重要なポイントであり、4・4・4制も1つの試みではありますが、御指摘のような人間関係の固定化が懸念されていることも認識いたしております。
 区では、現在、有明小中学校において、9年間を見通したカリキュラムや合同行事の実施など、連携教育を実践し、来年度には2カ年の研究成果を取りまとめるところです。
 区といたしましては、都の検討やこの取り組みの成果を注視しつつ、児童・生徒の心身の成長に適した教育課程の編成についても研究してまいります。
 また、御指摘のように、経験豊富な教員の大量退職及び若手教員の大量採用に伴い、現場では教員の若返りが進んでおり、指導力の高い教員の育成が喫緊の課題となっております。
 職層、課題別の体系的な職員研修の充実とともに、OJTを中心とした人材育成、教育課題研究校制度の活用にも取り組んでまいります。
 次に、オリンピック教育の文化芸術についてであります。
 オリンピック教育の目的は、児童・生徒にオリンピックの歴史、文化や理念を理解させるとともに、スポーツを通して精神と身体を健全に育て、平和な社会の実現に貢献できる人間を育成することにあります。
 スポーツを通じ、国や地域、文化の違いを超えて互いを理解し、世界平和に貢献するというオリンピックの精神を踏まえ、児童・生徒が、世界の人々とともにこれからの時代を切り開いていく力を身につけていくことは、極めて重要であります。
 今後、2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催を見据え、多様な文化を尊重できる心情や態度を育む教育を一層推進するために、スポーツへの取り組みとともに、バレエやオーケストラを鑑賞するアウトリーチ事業などの文化芸術の学習を通じて、世界の人々との友好と親善を深め、国際社会に貢献できる人材を育成する教育を積極的に展開してまいります。
 

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