平成26年9月26日 平成26年第3回定例会



次に、学校における道徳教育についてお伺いします。
 道徳の授業は、年間35時間実施されていますが、授業においては、学習指導要領に準拠した副読本を用いたり、また、文部科学省発行の道徳教育用教材である「わたしたちの道徳」を活用したりしていると聞いています。
また、東京都教育委員会が作成、発行している道徳教材集も、小中学生の発達に合わせて、過去の偉人等を取り扱いながら、こどもたちが自分自身を見つめられる教材として大変よくできていると思いました。
 道徳の時間は、このような教材を活用し、こどもたちが16から24の内容項目を学ぶ大変重要な学習であります。
以前の修身の教えと違い、教師からの発問を受けてこどもたちが話し合い、その過程において道徳的価値を自覚し、判断力を高め、さらには道徳的実践力を高めていくことが重要な目的であります。
こども自身がみずからの心の内面について考える、感じる、そして教師とこどもたちがともによりよい生き方を考えるなど、道徳の授業がより質の高い内容になることを心から期待します。
 そこで、まず3点についてお伺いします。
 道徳は、友達関係や思いやり、社会規範などの内容項目を取り扱いますが、学校現場での授業内容はどのようなものなのでしょうか。
 中学校教育全体において、道徳教育の位置づけやその効果について、どのようにお考えになっているのでしょうか。
 年間35時間の授業時間は確保されていますが、実際の授業を進める上での課題としては、どのような実態があるのでしょうか。
 次に、特別な教科「道徳」の教科化についてお伺いします。
 道徳の授業は、小中学校ともに学級担任が担当していると思いますが、道徳授業の重要性を考えると、全ての学級で一定の教育計画に基づいて展開されることがますます重要ではないかと考えます。
現在、各学校では、道徳教育全体計画や道徳の時間の年間指導計画に沿って指導していることと思いますが、若手教員が増加している昨今の状況を踏まえますと、これまで以上に道徳の時間の指導が充実し、こどもたちにとって道徳的な価値をしっかり学べるようにすることが必要ではないかと考えます。
 そこで、2点お伺いします。
 道徳を教科化することについての課題は何でしょうか。
 教員を養成するカリキュラムや研修のあり方など、道徳の教科化に向けてはさまざまな課題があると思いますが、何よりも指導する教員の指導力が不可欠であります。
そこで、道徳教育推進教師の必要性とその活用、また、若手教員育成の現状、課題、取り組みについてお伺いします。
 道徳については、数値による評価はなじまないと考えられていますが、この点については今後の課題だと思います。
 一人一人の児童・生徒が人間として、生きていく力を蓄え、道徳的価値の自覚及び自己の生き方についての考えを深め、さまざまな場面、状況で適切な行為を選択できる内面的資質を育成することでしょう。
それによって自然と行動的になり、また、人の意見もよく聞くことで学力向上にもつながるものと考えています。
 校長が明確な道徳教育についての方針を持ち、道徳教育推進教師を中心に全教員が学習目標を明らかにするとともに、学級担任だけではなく、全ての教員が力を合わせて、得意分野を生かしながら取り組むことが重要ではないかと考えます。

▼次ページへ▲前ページに戻る

学校における道徳教育について教育委員会事務局次長(押田文子)


 学校における道徳教育についてお答えします。
 まず、道徳の授業内容についてです。
 御指摘のとおり、道徳の授業では、思いやりや規範意識など、道徳的な価値に関する内容を取り扱います。
先人等の名言、偉人や著名人の生き方をもとにした読み物資料や映像資料を活用したり、教師の発問に対して一人一人が考え、グループで話し合ったりしながら授業が進められています。
教師が道徳的な価値を押しつけるのではなく、こどもたちが自分自身を見つめ直し、自分や友人のよさ、これからの生き方を考えていけるような指導の工夫が重要であります。
 次に、中学校教育全体における道徳教育の位置づけと効果についてです。
 中学校では、教科等の学習や生活指導、あるいは部活動など、あらゆる場面で道徳教育が実践されているものと認識しております。
とりわけ中学生の発達段階では、思春期を迎え、心が揺れ動いたり、人間関係の悩みを持ったりするなど、自分自身に戸惑うこともふえてきます。
このような実態から、道徳の授業ではしっかりと自分を見つめ、ありのままの自分を受けとめつつ、よりよくなろうとする気持ちや意欲を持てるよう、自己肯定感を高める指導が重要であります。
 また、このような中学校における道徳教育は、健全育成上の課題解決や心に起因する問題の未然防止など、生きる力の土台づくりとしても効果があるものと認識しております。
 次に、授業を進める上での課題についてです。
 道徳の授業は、教科等の学習と異なり、新たな知識や理解を獲得する学習ではなく、社会規範や正義、思いやりなど、人として当たり前のことを改めてじっくり考える学習であります。
したがいまして、教師は、適切な教材選択と的確な問いかけを十分に研究する必要があります。
また、児童・生徒が心を開いて話したり、自分自身を語ったりできる学級の雰囲気を日常から構築することも、重要な課題であると捉えております。
 次に、道徳を教科化することの課題についてです。
 現在、文部科学省に設置された「道徳教育の充実に関する懇談会」の提言が報告され、教科化する上では、検定教科書の導入や大学の教員養成課程の改善、評価の改善などの課題が挙げられております。
区といたしましても、審議の内容や国の動向を注視しつつ、東京都と連携しながら、教材の活用や教員の資質・能力の向上を図り、地域に根差した本区の道徳教育をさらに充実させてまいります。
 次に、道徳教育推進教師の必要性と活用及び若手教員育成の現状、課題、取り組みについてです。
道徳教育推進教師は、校長の学校経営方針のもと、計画の作成や校内体制の充実、研修の企画・運営、家庭・地域社会との連携など、具体的な役割を担っており、道徳教育の質を向上させるために設置されております。
また、校内において、教員の授業力向上のため、若手教員や道徳授業を苦手とする教員への指導、助言などにも活用されております。
 若手教員は、当然のことながら道徳の授業についても経験が浅く、また、教員養成の段階での道徳教育に関する実践的な学びは決して十分ではありません。
本区では、若手研修会の中に道徳教育を位置づけるとともに、授業の導入や展開、まとめについての模擬授業など、実践的な研修を積み重ねており、今後も一層の授業力の向上に取り組んでまいります。

▼次ページへ▲前ページに戻る