平成29年9月21日 平成29年第3回定例会


 質問事項1   地域防災の備えと強化について
9月1日の防災の日は、大正12年に関東大震災が発生した日であり、また、昭和34年の伊勢湾台風が契機となって、地震や風水害などに対する心構えのために制定されました。
多くの地域で防災訓練の行事が開催され、個々の防災意識を高めることができたでしょう。
区報では、大地震から身を守り、生き残るため、家庭の防災対策の再チェック10項目を報告していただきました。
 8月の27日、首都直下型地震に備え、地域防災力を高めることをテーマとした江東区総合防災訓練では、多くの区民、災害協力隊の参加と協力いただいている訓練実施機関の各団体によって、約3時間、スムーズな訓練が行われました。
陸上自衛隊のパワフルな救出救助訓練に驚き、インフラ等復旧訓練に感心し、参加者はスタンプラリーを楽しみ、各ブースの展示や体験訓練ができたと考えます。
 備えを万全にするために、食材を含めた備蓄物資の「物」や避難所に対処する「行動」の確認が必要です。
そのために、江東区総合防災訓練や各学校避難所で行われる合同防災訓練は、地域防災の備えへの役割を果たしていると考えます。
 そこでお伺いします。
開催時間が限られている中、新たに住まわれた若い親子連れの住民が体験され、訓練が試行されなくてはいけないと考えます。
9月3日の水神小学校会場の合同防災訓練を初めとする各小中学校避難所での新たに試行される訓練の計画があればお聞きします。
 合同訓練ではありませんが、地元の千田町会の防災訓練では、町会役員並びに災害協力隊が出席する中で、新たに住民となった若い家族連れにも参加を募るため、「防災まつり」と命名し、こども用の防災服を着て、消防団ポンプ積載車に親子で乗車したり、多くの親子がスタンドパイプの放水をこどもと一緒に体験しました。
子ども会の協力を得て、カレーや流しそうめん等の模擬店もある楽しめる防災訓練でした。
このような若い親子参加がふえた実例があればお聞きします。
 今、この瞬間に首都直下地震が起きてもおかしくありません。
直感力を働かせ、危機的状況を回避する心の備えが必要です。
避難所などの行動を時系列的に示した防災行動計画、防災タイムラインを住民が自分たちで考え、取り組んだ地域の例もあります。
行政の計画と住民主導の防災タイムラインが連携して減災に向かうのです。
そのために、学校避難所運営協力本部の顔見せ会議をやめ、行政指導で課題をつくり、避難所組織を発展的に進める必要があると考えます。
 そこでお伺いします。
学校避難所運営協力本部の活動で、独自に講習会、勉強会を継続して進めている学校並び地域組織はあるのでしょうか。
連合町会等では都が指導している東京防災の講習会が開催され、自主防災の意識は高められていますが、各地域での東京防災の防災アクションの教えを学習する機会がふえているのでしょうか。
危機的状況を回避する心の備えを鍛えるためには、地域で顔がわかる仲間の避難所組織で繰り返し学習することが必要と考えます。
東京防災の講習について、区として見解があればお聞きします。
 次に、避難行動要支援者への行動指針についてです。
 学校避難所運営協力本部の運営について、地元の海辺町会では、町会長を初め婦人部の協力を得て、避難行動要支援者を助ける行動プランを具体的にするために、要支援者50名を、地区で8チームにグループ分けして体制を整えていますが、多い地区で10名、少ない地区で3名、人数の把握だけで、個人情報保護法があるために、氏名、住所も判断できない要支援者の避難者救命の行動プランの話し合いは進まないと聞いています。
行政からも委託された避難行動要支援者の救助活動の行動指針やシミュレーションの骨格を、公助の立場の行政として示すべきだと考えます。
 町内会には、要支援者に登録されていない支援が必要な高齢者もいます。
このような行政指導の対策について考えがあればお聞きします。
 次に、小型無人機ドローンの実用化に向けた取り組みについてです。
 8月の富岡八幡宮の連合渡御時に、小型無人機ドローンを飛ばして深川警察に御迷惑をかけた事件があり、民生用・商業用ドローンで連合渡御を撮影しようと試みたと推測されます。
 本来の空撮、学術調査、観測、施設点検ができるドローン活用は、空の産業革命と位置づけ、開発が加速しています。
しかし、航空法では、日中に限り、人や建物から30メートル以上離れて飛行するように定められ、高さは150メートル以上は飛ばせません。
電波法上の無線局免許の課題もあり、都内では屋外での使用は難しく、広大な室内会場での試験的飛行に限られています。
 実用化に向けた取り組みですが、東京消防庁では、救助隊が簡単にたどり着けないような場合の情報を収集し、効果的な救助活動ができるように、土砂災害や水難事故の現場で使用可能かどうか、実験しています。
 行方不明者を捜すための温度を測定するサーモグラフィーや、有害物質の測定機能の搭載を検討しています。
 西多摩地区のあきる野市では、国家戦略特区の規制緩和を受けてドローン特区に認められ、ドローンカメラでの撮影の実証実験をし、リアルタイムに情報を地上に送り、被害想定を素早く把握できました。
奥多摩町は、国立情報学研究所と災害時の被害状況確認など、実用化に向けた共同研究をスタートしているとのこと。
民間企業では、測定、点検、監視の事業を行っており、災害時の物流サービスや火災の際に早い情報を伝達する役割を担うと考えます。
 親水公園など、改築されていない横十間や小名木川、南北を通る大横川は水門に守られていますが、隅田川や荒川を結ぶ河川です。
また、深川南部地区の汐浜運河から南側の汐見、豊洲、辰巳、東雲の運河、城東地区には砂町、曙の運河などがあります。
 そこでお伺いします。
土砂災害や水難事故の備えと強化のために、小型無人機ドローンの実用化に向けた取り組みはできないでしょうか。
 区内13カ所の小学校、公園で、平均海面より約1メートル低い地盤であることを表示した最低水位APメートルがあるように、当区はゼロメートル地帯です。
堤防の決壊や高潮などの水害の発生時には甚大な被害が懸念されます。
国家戦略特区の規制緩和を受けてドローン特区に認められ、実証実験を進めることはできないでしょうか。
 無人航空機システムの積極的な利活用を推進している社団法人日本UAS産業振興協議会では、操縦法や航空、電波の法規制などを学習するドローンスクールを開校しており、民間企業の技術開発と育成教育はスピードを増して進んでいます。
同様に、当区が特別区トップでドローンの実用化の取り組みをされることを期待します。

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  質問事項1の回答   区長(山崎孝明)

まず、地域防災への備えと強化についての御質問にお答えします。
 初めに、地域防災の備えについてです。
 区では現在、木場公園における総合防災訓練機関訓練のほかに、小中学校各2校で地域訓練を毎年実施しており、今年度も第1回を9月3日に水神小学校で実施し、700名の方に御参加いただいたところであります。
スタンプラリー形式の防災ラリーや冷や麦、カレーピラフの炊き出し訓練、起震車体験など、幅広い層が楽しめるメニューを用意し、親子連れの姿も多く目にいたしました。
 本年度の新たな試みとしては、劇団員がわかりやすく震災への水道の備えを紹介する東京都水道局の水道キャラバンを、一部の会場で訓練とともに実施する予定であります。
 防災訓練に模擬店やゲームなど、イベント要素を取り込み参加者の層を広げる試みは、ふだん防災訓練に参加していただけない方に興味を持ってもらい、訓練に参加してもらう方法として有効な取り組みであると考えております。
 学校での訓練も、全て私が行って拝見しているんですけれども、やはり地域性ですね。
たくさん来るところと、多いところでは1,000人ぐらい来る学校もありました。
ところが、有明小学校のように新しい町ですと、地域の方の参加がほとんどない。
びっくりするぐらい来ない。
やはりこれは、地域のコミュニティの形成がなされてないということと、しかし、災害で万が一のときにどうしたらいいかということは、やはり新しく越してこられた方もぜひ参加してもらえるようにするにはどうしたらいいだろうということを、もっと考えなきゃいけないと思っているんですね。
 例えば、小学校のPTAに呼びかけて、PTAの役員さん方が声をかけて親子連れで参加をする、そういった働きかけを強化していけばもっと親子で参加してくれるのではないかと。
学校なんか行きますと、高齢者はたくさん来るんですが若い世代が少ない。
これはやはり、我々区としても、もう少し考えて参加者をふやす。
おもしろいイベントがあれば来るだけではなくて、やはり参加させる、してもらう、働きかけ。
特にPTAは上手にリードすればたくさん来てくれると思うんですね。
そういったことも考えていきたいというふうに思っております。
 10月に開催する地域訓練では、小さいお子さんが楽しめる消防車のバッテリーカーなども用意する予定でおり、今後とも楽しみの要素を加え、幅広い層に参加いただける訓練を心がけてまいります。
 学校避難所運営協力本部での講習会、勉強会につきましては、現在、災害協力隊、学校、区災害情報連絡員等が一堂に会する学校避難所運営協力本部連絡会を、実際の災害時を想定した開催となるよう、昨年度より学校の自主運営形式での開催に実施形態を改めたところであります。
 現在、この連絡会では、マニュアルの確認や意見交換などを行っている段階でありますが、今後、防災知識の学習や、より詳細な避難所運営の事前ルールづくり、発災時を想定しての模擬会議などを行えるようにしていくことが必要であると考えており、実施内容の充実やステップアップに取り組んでまいります。
 また、東京防災については、避難所における防災知識の学習用のテキストとして有効なものであると認識しております。
 次に、避難行動要支援者への行動指針についてであります。
 災害時には、町会・自治会等を中心とした災害協力隊等が、要支援者の方の避難を支援することになります。
各協力隊が支援に向かう班を何人体制で何班つくれるかなど、実際の発災時の行動は被災状況に左右されるところが大きいと考えます。
 一方、個人情報保護の観点から、平常時における要支援者の個別情報の所有には、一定の制限を設けざるを得ない状況にあります。
このため、協力隊の方々等にとっては、事前の具体的な支援計画の共有が困難となり、発災時にとるべき行動が見えづらく、行動プランの作成が難しいことは御指摘のとおりであります。
 いざというときに共助の精神に基づき、災害協力隊等が要支援者の方のもとにできるだけ速やかに支援に駆けつけられるよう、協力隊等の行動パターンを状況に分けて整理した行動指針を作成し、活用していただけるように取り組んでまいります。
 次に、小型無人機ドローンの実用化に向けた取り組みについてであります。
 災害時のドローン活用については、昨年4月に発生した熊本地震の際に、調査や被害状況の撮影に用いられたほか、東京都においても、ことし4月から5月にかけて、国家戦略特区制度を用い、山間部の人が近づけない場所での被害状況確認を想定した実証実験を行うなど、現在、さまざまな自治体においてその活用が検討されているところであります。
 他団体では、ドローンによる荷物の宅配なども検討しており、将来的には現在行われているような調査や撮影に加え、災害時の孤立した建物への備蓄物の配送などにも活用する検討が進んでいると伺っております。
 内部河川を多く抱え、また、低地であることから、水害発生時に長期間の浸水が予想される本区においては、ドローンの遠隔操作による安否確認や備蓄配送が可能となれば、救助活動や救援活動において大きな力を発揮するものと考えております。
 一方で、ことし7月の九州北部豪雨の際には、自衛隊の飛行機との接触が懸念されて、飛行自粛が求められるケースも生じるなど、災害時の活用については、一定の条件整備なども必要であると考えております。
 こうした状況を踏まえ、ドローンについては、他団体の今後の実験状況等を注視しつつ、本区においては、災害時における調査や輸送の新しい手段として、研究課題の一つであると認識をいたしております。
 

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